住宅・建築物の省エネ対策を強力に進めるための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が、順次施行されましたので、今一度簡単にお伝えすることにします。
===建築物省エネ法の改正===
全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け、2025年度までに施行
これまでは、大規模中規模の非住宅の建築物を除いては、説明義務と届出義務があっただけですが、2025年からは建築確認申請時に、省エネ基準に適合していなければならなくなります。
より高い省エネ性能へ誘導され、省エネ性能が表示されることになります。住宅トップランナー制度が、分譲マンションにも追加されるとともに、省エネへの誘導基準が強化されます。例えば住宅の一次エネルギー消費量基準が▲10%から▲20%へ強化されます。
住宅の省エネ改修の低利融資制度の創設
新築だけではなく、改修(リフォーム)に際しても、500万円(返済期間10年)の低利融資制度が受けられることになりました。
省エネだけではなく、再エネ設備を促進
市町村が、地域の実情に応じて、太陽光発電等の 再エネ設備の設置を促進する区域を設定する。建築士から建築主へ、再エネ設備の導入効果等を書面での説明義務が課せられます。
===木材利用の促進のための建築基準の合理化等===
2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%排出削減(2013年度比)の実現に向け、我が国のエネルギー消費量の約3割を占める建築物分野における取組が急務となっています。
また、温室効果ガスの吸収源対策の強化を図る上でも、我が国の木材需要の約4割を占める建築物分野における取組が求められているとして、建築物分野における木材利用の更なる促進に資する規制の合理化などが講じられます。
具体的には、木造3階建ての建築構造計算が簡易になりました。また、大規模建築物での木材化が大幅に促進されます。すでに一部ではCLT建材が採用されていますが、これが一層促進されることになると思われます。
===2025年は省エネ基準、2030年はZEH基準===
今回の改正では、2025年にすべての新築住宅に省エネ基準が義務付けられますが、国は2030年からは一歩進んでZEH基準の義務化を予定しています。ZEH基準になりますと、省エネだけではなく、太陽光発電などの再生可能エネルギーの設置が義務付けられます。
===SDGsハウジング・プランナー===
これらの改正を実現するためには、建築業界だけではなく不動産業界も含めて省エネと再エネの知識を高めるひつようがあります。そしてお客様に正しい情報を提供していくことが業界の発展につながると考えています。
私達は「SDGsハウジング・プランナー」の講座を通じて普及していきます。
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