質問
賃貸マンションに備付けのエアコンが故障したので修理を依頼したところ、特約で修理は賃借人負担となっているので自費で修理するように断られました。
備付けの設備は貸主が修理代金を負担するのが道理だと思うのですが。
回答
民法606条1項で賃貸人は修繕義務を負っており賃借人の故意・過失がない限り、賃借人が修繕をした場合、賃貸人に対してその費用を請求できます。
ただし、同条は任意規定であり特約で修繕義務を賃借人に負担させることは可能です。
しかし特約を結べば何でも認められる訳ではなく「借家人の負担において修繕を行う旨の特約をもって、賃借人に積極的に修繕義務まで課したものと解することはできない」とされています。
仮に修理特約により何らかの修繕義務を負うものとしても、その範囲は小修理・小修繕の範囲に限られるべきであり、大修繕については修繕義務を負いません。
従って、大修繕に関しては修繕特約を結んでも無効というのが判例です。
修理代金が概ね1万円以下の場合が小修繕と言われていますので、エアコン修理は小修繕とは言えず修繕義務を負いません。
賃借人が修理費用を負担した場合は、賃貸人に対して民法608条により直ちに支出した費用の全額を費用償還請求できます。
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