ソーラーシェアリングは、農地の上部に太陽光パネルを設置して発電を行う設備のことです。太陽のエネルギーを、農業と発電とでシェア(共有)することから、ソーラーシェアリングと呼びます。営農型太陽光発電とも言います。

===倒産が増えているメガソーラー===
FIT制度(固定家庭買取価格制度)の始まった2012年以降、さまざまな企業が太陽光発電を活用した売電事業、太陽光発電設備の施工、保守管理事業などに参入しました。
そのなかで今多くのメガソーラーの企業が倒産しています。2016年には67件、2018~2020年の間で年間70~90件も倒産しています。

供給過剰、FIT制度の固定買取価格下落といった状況によって、多くの企業が事業縮小もしくは倒産しています。メガソーラーは、森林を開いて設置したことによる環境破壊が問題となるだけではなく、倒産して放置されたメガソーラー施設では、より大きな環境破壊がおきています。

===ソーラーシェアリングのすすめ===
耕作放棄地は増加を続ける一方です。調査によれば、中山間地域全体の耕地面積のうち14.5%が耕作放棄地となっています。
耕作放棄地では農業生産量が減ることに加え、獣害やゴミ投棄の温床になり、元の農地に戻すのが大変です。

このような課題を抱える中で、解決策の一つとしてソーラーシェアリングが注目されています。ソーラーシェアリングは、農業従事者や農業協同組合など関係者にとっても十分な知識がないため、うまく行かないのではないかとの不安が先だち、導入をためらわれるかたが、多いようです。

国は問題解決のため、規制緩和に加えて、あらたな施策をすすめるようです。

===ペロブスカイト太陽電池は営農型太陽光発電に最適===
従来のシリコン型太陽電池は、光の透過性がないため、下部の作物の生育に必要な光エネルギーが受けられない場合がありました。ペロブスカイト太陽電池は、軽くて薄く、光の透過性も確保できます。

また設備コストも大幅に低減されると言われています。実現は2025年が目処となりますが、すでに実証実験がスタートしています。