出入国管理局が発表した『令和4年末現在における在留外国人数について』によると、令和4年末の在留外国人数は3,075,213人(約3%=100人に約3人)で、過去最高となりました。労働力不足が進む日本では外国人の労働力は欠かせず、今後も在留外国人は増え続けていく見込みです。
===在留外国人の50%が民間賃貸住宅に===
在留外国人は、日本ではどのような住宅に住んでいるのでしょうか。平成27年の国勢調査によると在留外国人のうち50%が民間賃貸住宅に住んでいることがわかりました。一方で持ち家は17%に留まります。これは、在留外国人は比較的若年層が多く、いずれ母国に帰ることを前提としていることが背景にあります。
しかしながら外国人の部屋探しは簡単ではありません。何故なら、生活習慣、宗教、食生活の違いによって、地域社会の受け入れに対する拒否反応が強いからです。
===外国人への拒否反応===
調査によると、多くの家主や不動産業者が外国人の入居に拒否反応を示しました。その理由は、①ルール(日本の常識)を守らない(30%)、②言葉がわからないので意思の疎通ができない(27%)、③近隣住民に不快感を与える(23%)、④部屋を汚された(14%)、などです。
よく考えてみると、これらは外国人の日本語能力不足(および日本人の英語能力不足)や心理的抵抗などによる知育住民とのコミュニケーション不足がほとんどの原因であると推定されます。
また不動産会社が外国人に積極的でないということも外国人の部屋探しを難しくしている要因の一つと考えられます。調査では外国人向け物件資料のない会社が約75%もあり大きなビジネスチャンスを逃しています。
===外国人とコミュニケーションで成功===
そのようななか、外国人に住まいを貸すことで、成功している例は少なくありません。
もし外国人居住者に興味のある不動産業者さん、家探しに困っている外国人の方がいらっしゃれば、一度日本住宅性能検査協会にお問い合わせ下さい。
執筆:日本住宅性能検査協会 研究員 秋山将人
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賃貸借契約豆知識(Vol.1)
「信頼関係がなくなった」とは
(質問)
契約書の内容を見ていたら、「家賃の支払いを1日でも遅延した場合には、即刻退去するものとする」となっていた。
そういう契約内容は不当だと思うのだが、削除を求めるべきか、それとも、法的に認められないと思うので無視して契約したほうがよいのでしょうか?
(回答)
このような規定は、単なる脅しに過ぎません。
法的にも認められていません。家主としては、家賃の滞納を恐れるあまり、このような規定を設けているのでしょうが、認められませんので安心してください。
家主として契約を解除するには、借主との間で信頼関係がなくなるような事態が前提となります。
家賃の滞納で言えば、判例では、6ヶ月程度以上の滞納があれば、「信頼関係がなくなった」とみなされているようです。
いずれにしても、契約時点で削除を求める方法もありますが、強い要求をすれば、契約そのものを拒否される可能性もありますので、あまり神経質にならず、無視して契約してもよいと思います。