次世代太陽光発電のニュースが増えています。積水化学「2025年に事業化」「東京都の森ヶ崎水再生センターに設置し検証を開始」、トヨタとエネコート「車載用の実用化へ共同開発」等々、多く報道されています。
先日、国立研究開発法人「物質・材料研究機構」(NIMS)で、白井博士と柳田博士にお話を伺うことができました。その一部をご紹介させていただきます。

===ペロブスカイト太陽電池とは===
ペロブスカイトとは、イオンの結晶構造を指します。元は灰チタン石(かいチタンせき)のことで、 この結晶構造を持つ物質は他にもあり、それらを総称して「ペロブスカイト」と呼ぶようになりました。ペロブスカイト太陽電池は、この結晶構造で組成されています。
この結晶構造で太陽電池を作ることを世界で最初に提案したのが、日本の宮坂力教授(桐蔭横浜大学)です。 ペロブスカイト太陽電池は、軽くて薄いフィルム状で製造することができ、現在のシリコン系太陽光発電よりも高効率の30%超えの可能性もあるとのことです。また製造コストも安価など大きな利点があり、ビルの側面に貼って建物全体で発電や、飛行機の翼に貼る、電車や車に貼るなど色々な使い道が考えられています。窓ガラスの太陽光発電も開発中だとのことです。

===技術開発===
現在、大学や研究機関とともに積水化学、パナソニック、東芝、シャープ、カネカなどの多くの民間企業で開発が進められています。
ペロブスカイト太陽光発電の技術開発は世界中で行われています。なかでも中国の開発スピードは飛び抜けていて、発表される論文の数も日本の10倍以上あるとのこと。製品化も進められていて、中国では次の国家戦略製品と位置づけられているようです。

===ペロブスカイト太陽電池の問題点===
しかし、白井博士によると、一般の住宅で使われるためには、解決しなければならない課題がまだまだ多くあり、大きなブレークスルーが必要だとのことです。課題のひとつは酸素や水分といった外的影響を受けやすく変換効率が低下しやすい点。
もう一つは、主な材料がヨウ素と鉛のため、この鉛が健康被害を及ぼす可能性が高いとのことです。この鉛の問題が解決しなければ、一般の家庭に普及させるには問題が多いという。
確かに、現在主流のシリコン系太陽電池でも2040年には大量の廃棄物が出ると懸念され、廃棄物処理問題は未解決です。
欧州では、ペロブスカイト太陽電池の設置は、廃棄物管理ができる場所でしか認められないということです。

===廃棄物まで考えた開発を===
とはいえ、ペロブスカイト太陽電池のメリットは高いので、一日も早い開発が望まれます。しかしどのような物もいつかは廃棄することになります。メリットだけを見るのではなく、廃棄物処理までを考えた製品化が、最も大切ではないでしょうか。
私達は、これらの問題を定期的に取り上げてまいります。そこでペロブスカイト太陽電池活用研究会を立ち上げました。是非多くの方がご参加ください。
https://nichijuken.org/committee/perovskite.html