先日、NHKニュースで「火災保険の不正請求で逮捕」と流れてきた。保険業界の方に聞くと、かなり多くあるとのことであった。
これにはいろいろな理由があるが、多くの人は火災保険は、台風などの自然災害でも保険金が請求できるということです。

===火災保険不正請求の手口===

工務店などが主に高齢者宅を狙って保険金が出るから工事をしましょう、と持ちかけるもの。
経年劣化による損害は保険の対象外であるにもかかわらず、工事を行って多額な工事費を消費者に支払わせる場合もあり、国民生活センターに相談が寄せられている。

1つは最初から工事をするつもりのない事業者が、保険金がもらえるからと不動産所有者に持ち掛けるもので、おりた保険金のうちの一定額を受け取る、おりなくても一定額を払わせると言った詐欺。
中には、持ち掛けられたほうもぐるになっている、そもそも不動産所有者が詐取を意図して請求するパターンもある。

なぜこんなことができるかというと、自動車保険は、保険金は修理業者に支払われるのですが、火災保険は、直接加入者に支払われます。しかも修理をする義務もないのです。この抜け道を悪用して、保険請求をするのです。詐欺となります。

===火災保険には、証明する第三者がいない===

自動車保険の申請には、警察の事故証明が必要です。生命保険では医師の診断書が必要です。ところが、火災保険や地震保険には、そのような第三者機関がありません。
損害保険会社から派遣される「鑑定人」がいるのですが、鑑定人が調査しないことや、鑑定してもおざなりなことしか行わないケースのほうが多いのです。

時には、申請前に故意に建物を壊して申請することもあります。また、「保険の代理申請をします」といって多額の申請手数料を請求するブラック企業が多くいるようです。
正規の鑑定人から聞いた話によると、わざわざ古い空き家を買ってそこを壊して請求した例もあるとのことです。

===損害保険会社の対策===

損害保険会社も、このような不正請求に対してようやくAIを使って不正請求の防止に乗り出すようです。
日本住宅性能検査協会は、内閣府と損害保険協会の指針にそった「保険調査」を誰もができるように資格講座を開くことにしました。

その講座では、先週のこのメールマガジンでもお伝えした「住まいのカルテ」について詳しく述べることにしています。被災者も保険会社も、誰もが納得してWIN&WINになるための講座と考えています。