1995年に発災した兵庫県南部地震の教訓から2000年に木造住宅において地耐力に応じて基礎を特定
地盤調査が事実上義務化になりました(施行令38条)
地震で倒壊した建物のある地域と、倒壊しなかった地域を調べると地盤による違いが明らかになった
ことによると思われます。
新築住宅では確認申請に必要ですが既存の住宅の取引では、その必要性はありません。
しかし購入者にとっては耐震性があるかどうかは大きな問題です。
取引だけではなく、今住んでいる家の地盤は誰しも気になるところです。
そこで今回は、公開されている資料から、地盤を推定する方法について考えてみます。
===国土地理院===
国土地理院の旧版地図は大正時代からの地形図を閲覧することができます。
請求するとコピーを購入できます。過去の地形図には、かつて水路があったり、湖沼、
水田、造成前の地形を知ることができます。
水路や湖沼のあった場所は地盤が弱いのではないかと推定できます。
数年前に横浜でマンションの基礎杭の長さ不足が見つかり、ついには建て直すことになった
事件がありました。
この土地を旧版地図で見てみると河川敷であったり、沼であったところを埋め立てたことが
わかりました。
建築前にはボーリング調査はしているのですが、ボーリングの不足があったようです。
また、国土地理院には活断層地図が閲覧できます。
===地震ハザードマップ===
地震ハザードマップには想定されている大きな地震が発生した時の揺れやすさを表示しています。
関東で一番大きな揺れがあると想定されている「元禄型関東地震」では、埋め立て地であった地域は
震度7、地盤が強い地域では、震度6弱と示されています。
震度6弱であれば新耐震基準で建築された建物であれば、少し安心できます。
またこのマップには液状化の危険性も表示されています。
===国土地盤情報検索センターKuniJiban===
国土地盤情報検索サイト”KuniJiban”は、国土交通省の道路・河川・港湾事業等の地質・土質調査成果
であるボーリング柱状図や土質試験結果等の地盤情報を検索し閲覧することができます。
同じく、一般財団法人国土地盤情報センターでも、同様のデータが検索できます。
今後はより広いデータが公開される予定です。
このデータは、道路・河川などが中心で、すべての土地の地盤が見ることができませんが、近くの地盤は
参考になるのではないでしょうか?