まだまだ油断はできませんが、新型コロナの感染者数も一定程度落ち着き始め訪日外国人の規制も段階的に解除されています。
旅行者だけではなく働くために訪日する人は、ますます増えると予想されています。
日本経済の発展のためには製造業だけではなく、介護、サービス、飲食、建築、農漁業などの業種で外国人就労者が求められています。
そのためまず整備しなければならないのは、就労外国人のための住まいです。
===空き家を、快適な就労外国人住宅に活用を===
2019年4月からスタートした。特定技能制度は、従来は技能実習でしか認められなかった外国人の就労がより広い分野で認められるようになりました。
この制度では雇用者に外国人就労者の生活全般を支援しなければならない義務があります。
特に住まいについては、技能実習生では、1人4.5㎡以上の居住スペースでしたが特定技能制度では1人7.5㎡以上となり、雇用者は住まいの支援が義務化されています。
この分野での住まいの需要が高くなるということです。
そこで、全国の1,000万戸近くある空き家を、就労外国人向けの住まいとして活用することが考えられます。
===住まいの質の向上が重要===
外国人は日本だけに目を向けているわけではありません。急速な円安で就労外国人にとって日本で得られる収入は相対的に下がっています。
1ドル150円になると115円に比較して3割も収入が減ることになります。
同じように働くのであれば、より高い収入を求めるのはあたりまえのことです。
多くの国が労働力を求める時代がきます。豪州、韓国、台湾は日本と同じく合計特殊出生率が低く、労働力不足が想定されています。
つまりは、労働力は売り手市場になるということです。
そうなると、同じ収入であればより快適な生活が求められます。
かつては外国人の宿舎は、陽の当たらない部屋で多くの人が暮らす劣悪な環境と言われていました。
報道でもそのような扱いでした。
しかし、それは許されなくなり、少なくとも日本人と同様の環境を提供しなければなりません。
そこで、居住スペースだけではなく、機能性や快適性能が求められることになります。
===外国人に貸すことへの抵抗をなくす===
外国人の住まいに関する抵抗感は根強くあります。
「外国人に貸すと生活ルールを守らないので、近隣に迷惑をかける」「夜中に大声で騒ぐ」
「1人に貸したのに、いつの間にか4人が住んでいた」などなど、これまでトラブルが絶えなかったようです。
ところが、よくよく調べてみると、あながち外国人だけが悪いわけではありません。
コミュニケーション不足でルールを知らされていないので、彼らは母国と同じような暮らし方をしていただけです。
日本に働きに来る外国人は、もともと日本が大好きな人がほとんどです。
一定の日本語も学んでから来日します。とても上手に日本語を話します。
とても人懐っこく優しい人が多いのです。
そんな彼らに、日本での住まいを支援するアドバイザーが求められています。