協会では多くの建物を調査していますが、「外壁のメンテナンス」をしていない建物が多いのに驚かされます。
分譲マンションは定期的に大規模修繕をされています。しかし賃貸アパート・マンションでは、多くが築20年以上にも関わらず、一度も外壁のメンテナンスをしていません。
そのような賃貸住宅には、入居者が集まりにくくなり、賃料も低くなってしまいます。
===「外壁メンテナンスをしないと危険」===
多くの建物の外壁は、塗装部分とコーキング(シーリング)箇所が必ずあります。
これらの塗面やシールは概ね10〜15年で劣化し、防水性能が落ちて、雨水が壁の中に浸水するようになります。
そうすると雨漏りや腐食などの被害で建物に影響を与えますし、そこで生活をしている人の安全にも関わることです。
RC構造の場合、 外壁が劣化するとコンクリートはひび割れを起こして、コンクリート自体が中性化して、鉄筋にサビが発生して膨れ上がり、爆裂というコンクリートが割れる現象が起きます。
更に日本の場合は、地震や台風、梅雨、雪など様々な自然環境や災害によってひび割れや腐食により、ダメージを増大させる原因になり、建物の寿命を縮めることとなります。
===「外壁の簡単な検査方法」===
外壁の検査には、専門に依頼しないとできない検査もありますが、「誰でも簡単にできる方法」をしめします。
「窓サッシや玄関」の周囲、サイディングのつなぎ目にはコーキングが施されています。そこを指で押してみてください。弾力性が残っていれば大丈夫ですが、固くなっていたり、ひび割れていれば、早急に打ち直しが必要です。
塗装面は、指でなぞってください。チョークのような白い粉が指に付着すると、塗面の寿命で「チョーキング現象」いわれ塗料の防水性能がなくなっています。
これらの検査で問題点が見つかれば、より詳しい検査を専門の会社に依頼して検査します。
===「メンテナンスをするタイミング」===
国土交通省のガイドラインでは、外壁のメンテナンス時期として10年〜15年に1回は修繕をするように示しています。
長期の修繕計画をたてて定期メンテナンスを行えば、どのような建物でも50年以上良い状態が保てます。