「外国人が直面する日本の賃貸住宅事情と対策」

移住する外国人にとって、住まいの確保は大きな課題です。
言語の壁や文化の違い、独特の不動産ルールのため簡単ではありません。

日本で賃貸住宅を探す際の苦労について、具体的な事例を交えながら紹介し、
スムーズに新生活を始めるためのヒントを提供します。

===外国人が直面する課題===
1)言語の壁
不動産業者の多くは日本語のみの対応です。
物件情報を理解し契約内容を把握するのは容易ではありません。

アメリカ人のジョンさんは、日本語がほとんど話せないため苦労しました。
最終的には友人の通訳で契約を結びましたが、いくつかの物件を逃してしまいました。

2)礼金や保証人とい独特の制度

日本には敷金や礼金、そして保証人という独特の制度があります。
特に保証人を見つけることは大きなハードルです。

フランスの留学生マリーさんは、保証人を見つけることができずに大変苦労しました。
礼金・敷金という制度に戸惑い、初期費用が予想以上に高額になりました。

3)外国人拒否の物件

一部の管理会社は、外国人への賃貸を拒否しています。
言語や文化の違いや過去のトラブルが原因といわれています。

インド人のITエンジニアのラビさんは、何度も「外国人不可」という理由で断られました。
なんとか外国人向けの不動産業者を通じて部屋を見つけましたが、
調べてみると大家さんはOKでも、不動産業者が拒否していたようです。

4)文化の違い

暮らし方の文化やルールは他国と異なりハードルとなっています。
例えば、日本ではゴミの分別が厳しく、各自治体によってルールが異なります。

ドイツから来たアンナさんは、ゴミ出しのルールを理解するのに時間がかかり、
近隣住民から注意を受けることがありました。

===解決策とアドバイス===

住まい探しは、外国人にとって大変ですが、適切な準備と専門家のサポートを得ることで、
問題を乗り越え住まいを見つけることができます。

今は英語対応可能な不動産業者も増えています。また、必要な書類や条件を事前に調べることもできます。
保証人が必要な場合は、日本在住の友人や知人に事前にお願いしておくとスムーズですし、
敷金や礼金などについても事前に予算化しておけます。

言語の壁や文化のなかで、住まいを見つけるためには、業者だけでなく多くの人のアシストが必要です。
これから日本に移住する外国人のために、受け入れる私達の心構えが必要な時代と思っています。

執筆:NPO法人日本住宅性能検査協会 研究員 秋山将人