家庭の電力がDC直流に変わる

現在、IHヒーターと一部のエアコンで使用される200Vを除くと、家庭の電力のほとんどは100V交流電源です。
ところが近い将来、家庭の電力がDC直流に変わる可能性が高いとの想定で研究が進められています。

家電メーカーのパナソニックやシャープはこの想定のもとに新たな家電の開発を始めています。

===なぜ交流電源なのか===

交流電源の最大の利点は、電圧をトランスで電圧を自由に変えることが出来る点です。
遠くの発電所の電気は、電線を通して各家庭や事業所に送られます。

送電は、電流値が低いほど、熱による損失が少なくなるため、トランスで電圧を高くし電流値を下げることによって、
ロスなく効率よく送電することができます。
そのため電力は高圧電線を通して、地域へ送られてきます。

===多くの家電は直流で動いている===

家電のなかでどうしても交流でなければならないのは、蛍光灯くらいです。蛍光灯はLED(直流)に変わろうとしています。
冷蔵庫や洗濯機などは、一旦交流から直流へ変換して制御しているものが増えています。

モーターは、直流のほうが制御しやすく、音も静かです。そしてなにより電力消費量が少ないのです。

例えば扇風機ですと直流モーターは交流モーターの1/6の消費電力ですみます。
そこでメーカーは、直流の家電を積極的に開発しています。すでに交直両用の冷蔵庫なども発売されています。

===交流直流の変換の電力ロス===

交流と直流の変換には、電力のロスがあります。
スティック型の掃除機の充電中にDCアダプターが少し熱くなっているのに気が付かれたことがありますか。

これが電力ロスです。
交流から直流へは5%のロス。直流から交流へは20%のロスと言われています。。

近い将来、効率の高い太陽光発電設備がすべての家庭に設置されて、蓄電池の能力が高くなると、
電力の地産地消が進むと言われています。

そうなると、わざわざ遠くから送られている電力を使わず、蓄電池に蓄えられた電力で直流家電をつかって
生活ができる時代がくると言われています。