マンションの大規模修繕では、建物の検査が必要です。一般的には建物検査を業者に依頼することになりますが、「どのような検査が必要なのか」、「検査費用はどのくらいかかるのだろうか」など、手探りになってしまいます。
そこでチョットまってください。まず理事会や有志で、自主点検をしてみてください。点検といっても難しくありません。道具もいらない目視点検です。
目視点検だけで、わかることがたくさんあります。そのことで次に何をすべきかが見えてきます。自主検査をしておくと、専門業者に依頼するときの内容や金額が明確になります・

今回は、まず「防水点検」と「コンクリートのヒビ割れ」の自主点検の方法を簡単に述べます。

===防水点検===
防水点検では3つのポイントがあります。1つ目は、サッシや扉の外枠の「コーキング」の点検です。「コーキング」が劣化しますと、指で押しても固くなってしまっています。劣化が進むとひび割れたようになります。

2つ目は天井等の雨シミの有無を調べます。シミといっても、広がっているものもあれば、直径5mmくらいの点のようなシミもあります。最上階だけではなく、上階に廊下がある場合にも見受けることがあります。

3つ目は、塗装した外壁の点検です。これは指先で撫でてください。白くチョークのように指に汚れが付けば、外壁の劣化が始まっています。

===コンクリートのヒビ割れ===
コンクリートのヒビ割れといっても、目に見えるかどうかの小さなものから、雨水が染み込むような形状のものまであります。点検の対象となるのは、幅0.3mm以上のヒビです。コンクリートの躯体までヒビが及んでいる可能性があります。
建物の構造によっては、地震などによって入隅に小さな亀裂ができていることもあります。細かく点検してみてください。

===金属のサビ===
鉄骨製の非常階段の錆が中心ですが、ステンレスやアルミなどのサビにも注意してください。
ステンレスやアルミは錆びないと思っておられるかもしれませんが、状況次第で錆は発生します。鉄の錆は、塗装状態にもよりますが、6?7年で再塗装の時期です。

===点検の方法===
一人でも可能ですが、できれば3人一組で点検します。一人は記録係で図面に記入します。
もう一人は撮影係で、問題があると思われる箇所を写真に撮ります。それぞれが建物の劣化状態を共有することで、意識も共有できます。

詳しくは、マンション大規模修繕プランナー講座で学んでください。「マンション大規模修繕プランナー」とは、大規模修繕は、多くのマンションが管理会社に委託したり、コンサルタントに依頼します。
コンサルタントのすべてではありませんが、悪質なコンサルタントも少なからずいます。管理会社は日常管理業務は行いますが、大規模修繕の専門家ではありません。この講座は、大規模修繕のプロフェッショナルの育成プログラムです。

<不動産トラブル>
<消毒費>
(質問)
消毒料を支払えと言われたが、支払う必要があるのでしょうか?

(回答)
家主が請求するにしろ、仲介業者が請求するにしろ、どちらにしても支払う必要はありません。
家主には、家賃という対価を取って他人に物件を貸す以上、借主に「使用収益させる義務」があります。

つまり、借りる人が、安全快適に生活できるようにするのが家主の務めなのです。
従って、万一、「消毒しないと住めない」状態であるなら、家主の費用と責任で消毒すべきなのです.
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