日本は人口減少や高齢化により、労働力が不足しています。外国人労働者は、この不足を補完し、生産性を維持するのに貢献してくれるだろう。
過疎化や経済的な衰退に直面している地域にとっては、新たなエネルギーをもたらし、地域の発展の促進の力になると、国も民間企業も考えているようです。
外国人の中には、高度な技術やスキルを持つ者も多くいます。これらの人材は、国内の特定の分野で情報技術、医療、エンジニアリングなど専門知識を提供し、技術革新や競争力の向上に寄与すると期待されています。

===日本の空き家問題===
一方、日本では高齢化と人口減で空き家を取り巻く環境が深刻度を増しています。総務省の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は18年に約849万戸と1998年の約1.5倍。全ての住宅に占める割合は13.6%に達しました。およそ7戸に1戸が空き家という水準で、日本人にとって大きな悩みの種ですが、日本で住居を探している外国人には魅力的に映ります。

===外国人が山村で空き家活用===
和歌山県中央部に位置し、標高500メートル以上の山岳が約7割を占める田辺市龍神村に昨年移住してきたシンガポール出身のリー・シェンジェさんは、友人と共同で空き家であった築110年以上の木造家屋を約200万円で購入。ゲストハウスへの改修を進める一方、隣にある別の古民家を借り受け、和歌山の魚や野菜を使った料理と龍神村や世界のお茶、これらに合わせたデザートを提供する「龍乃原食堂」を始めました。
リーさんは、早稲田大学に留学して日本の政治について学んだ後、京都市で日本人の友人と旅行会社を起業。現在は、カメラやドローンで龍神村の風景を撮影し、インターネットを活用したオンラインツアーを手がけている。以前から日本の茶に興味があり、茶の文化の情報発信をしている龍神村在住の森口周さんと知り合ったことがきっかけで、自然の中に茶の木が残る龍神村が気に入り移住してきたとのこと。「豊かな自然と、その自然の中に残っている茶の木は龍神村の宝物だと思う。海外でも、自然に育っている龍神村のお茶に魅力を感じる人は多い。龍神村の自然とお茶を楽しんでもらい、シンガポールの食文化も感じてもらえたら」と話しておられる。

===いつも出口戦略を===
外国人の受け入れは、経済的な成長、技術革新、文化的な多様性の向上、国際的な競争力の強化など、さまざまな面で利益をもたらす重要な要素となっています。しかし、適切な法的枠組みと社会的サポートが整備されることも重要です。

このように地方や行政が橋渡し役となり、外国人と空き家をマッチングすることにより、外国人と地域住民が交流し理解を深める場を創り出すことができます。
日本住宅性能検査協会が提供している「空き家再生診断士」や「外国人宿舎管理アドバイザー」は、地域と外国人の両方にアドバイスとサポートを提供しながら、これら課題の解決に取り組んでいます。

執筆:日本住宅性能検査協会 研究員 秋山将人

不動産トラブルトピックス(Vol.10)
<更新手数料>(1)

(質問)
家主に支払う更新料以外に、管理会社から更新手数料の請求が来た。契約書のどこにも記載がないので拒否したいのですが、業者は「更新手数料を支払わなければ更新しない」と言っています。どうすればよいでしょうか?

(回答)
手数料は、本来、業務の依頼をした人が、依頼を受けた人に対して、その業務量に応じて支払うべきものです。

もともと、契約の更新は、家主と借主との間で行うものですが、家主が自ら更新手続きを行うことをわずらわしく思い、家主の代理人として管理会社に業務を委託することがよくあります。

従って、家主は、管理会社に、契約更新の手数料を支払うことになります。
借主の立場から言えば、契約更新の手続きに関しては、誰にも委託したわけでなく、本来、家主との間で行うべき作業を、家主の代理人である管理会社と行っているわけですから、管理会社に、更新手数料を支払う理由は一切ないはずです。

管理会社は、更新手数料を家主から受け取ればよいのですが、中には、家主から得る更新手数料以外に、借主からも何の合理的な理由もなく、更新手数料を請求している業者もあるのです。

本来、支払うべき理由もないのに、手数料を徴収するというのは、不当利得に当たりますので、
支払う必要もありませんし、支払った手数料の返還も請求できると思います。

なお、契約書に、更新手数料を支払う旨の記載がある場合はどうなるかということですが、賃貸借契約書は、家主と借主との間の取り決めですから、そこに記載された第三者への手数料の支払いは契約内容として有効かどうかという問題があります。

契約書に、更新手数料が明記されている場合についても、ほとんどの場合、特約としては認められないでしょう。
(328-1)