日本の労働人口は2010年12,806人をピークに激減し、2050年には推定3,000万人減り1億人を切る予想です。更に2060年には高齢化率も40%近くになります。
AIなどのIT技術が進んでも、介護・建設・農業など人でなければできない役割はとても多く残るので、労働力不足は日本経済にとって大きな課題となります。

===外国人就労者===
このような状況は日本だけではなく、欧米先進国に加え、韓国や中国、オーストラリアでも課題となっており、世界中で労働力不足が進み海外労働力の奪い合いとなっています。
しかしながら日本では物価が上昇しているにも関わらず賃金が上がらず、また円安の進行もあり、賃金水準が相対的に低くなっています。外国人の暮らす環境の快適さが重視されなければ、より待遇の良い国に海外労働力を奪われてしまいます。

===日本が大好きな人々===
それでは現在外国人は何を望んで日本で働いているのでしょうか?アンケートによると、ただ単にお金を稼ぎたいというだけではありません。技術を学び、日本の文化に接して、自分の人生をより良くしたいと考えているようです。
知り合いの台湾人、タイ人、ベトナム人、香港人なども日本が大好きで、日本食・お菓子・各種製品の技術や品質・ゲーム・マンガ・おもてなしの心、などに触れようと日本語を勉強したり、短期留学をしたり、働きに来たりしています。その大好きな日本でスキルを磨き、豊かな暮らしを望んでいるのです。

===誰もが喜ぶ暮らしの環境を整える===
外国人の方々が日本を好きと言ってくれてるのですから、受け入れる企業や社会は快適な生活環境や住宅環境を整えなければならないと私は考えています。
とは言え、母国と同じ環境を整えることではありません。大家さんが外国人の受け入れにとまどっていることは、「ゴミ出しのルール」「狭い部屋に多くの人が住んでいる」「大きな話し声」・・・、言ってみればコミュニケーション不足からでていることです。東京近郊でも外国人と一緒に暮らしている街はいくつもあります。神奈川のいちょう団地、新松戸、葛西、など多くの地域で、共に暮らしておられます。
外国人雇用に伴う住宅環境について「外国人宿舎管理アドバザー講座」で学んでください。

執筆:日本住宅性能検査協会 研究員 秋山将人