心理学で使われる「確証バイアス」について、不動産取引で騙される心理をお伝えしました。今回は「コンコルド効果」です。

===コンコルド効果とは、===

コンコルド効果は超音速旅客機「コンコルド」の商業的失敗が名前の由来です。コンコルドは、定期運行路線をもった世界で唯一の超音速民間旅客機で、開発当初は世界中から大きな注目を浴びました。
しかし、開発を進めていくなかで、旅客定員の少なさや燃費の悪さなどの問題により、開発を進めても採算が取れないことが判明します。

採算が取れないなら、開発を中止するのが合理的な判断です。しかし、すでに相当な額の資金を投資していた経営陣は、開発中止の意思決定ができず、プロジェクトを続けてしまいました。
4000億円の開発費を回収しようと経営を続けたものの、結果的に数兆円もの大きな赤字を出して、全機が運行停止になりました。

===不動産投資に当てはめると===

収益物件として「アパート」に投資して運用してみた。どうも想定した入居者が確保できないでいる。
不動産会社に聞くと「物件が古いので大規模のリフォームが必要」と言われ、再び借入をして大規模修繕をしたが、新たな借入の返済には家賃を少しあげなければならない。しかし値上げした結果、やはり入居者は増えない。

サラリーマン投資は、まずはワンルームの区分所有マンションからと投資セミナーで話を聞きやってみた。一戸の投資だと小遣いにもならない収益だった。
再び投資セミナーで相談すると、複数もつ必要があると言われる。

ついには一棟マンションに投資すれば、老後も安心だと言われた。数年経つと投資した物件の修繕が必要になり、利益どころか大赤字になってしまった。
コンコルドは、国家を超えたEUのプロジェクトだったので、数兆円の赤字も税金で補填ができたが、個人の投資では、その人の人生を狂わせてしまいます。

===いつも出口戦略を===

このような例はいくつもあります。プロのファンドマネージャーにお聞きするとプロは「いつも出口を考えて運用する」といいます。

最初から「損失しそうになったら、どこで見切りをつけるか」を想定するようです。
投資が悪いわけではありません。どのような事業にもリスクはあります。そのリスクを把握して、自らの判断を誤らないことです。

日本経済が、バブル崩壊後「失われた30年」に陥った原因もここにあるように思われます。