===トラブル解決 ADR制度===
裁判によることなく、法的なトラブルを解決する手段として、国が定めた制度に「裁判外紛争解決手続き(Alternative Disoute Resolutin:通称ADR)」があります。
訴訟手続きによらず民事上の紛争を解決しようとする当事者のために、公正な第三者が関与して紛争を解決する手続きで仲裁、調停、あっせんなどを行います。
費用も、最初の申立に1万円(税別)がかかる程度で申立の手続きも簡単です。
ただし、ADRの申立をおこなっても相手が応諾(話し合いに応じます)しなければ、それで打ち切りです。
ただ応諾されなくても、まったく無駄ということではなく、ADR申立を行った事実は残るため、同様の紛争がADRで多く申し立てられれば監督官庁が、話し合いに応じるように指導することもあります。
トラブルが起きると裁判と思われがちですが、やはり話合いで解決が一番です。
実際の裁判でも裁判官は、話合いで妥協点を見つけるように進めます。
公正な第三者のもとで話し合えば、困難と思われた事案でも解決して「WIN&WIN」で関係が続きます。
===豆知識「建物の寿命」===
建物の耐用年数の考え方には、税法上の耐用年数があります。
これは、税務申告する際の減価償却費を計算する年数で、本当の耐久年数ではありません。
どうもこれを間違って耐用できないと誤解されている人が多いようです。
一般住宅では、築100年200年の古民家は地方に多く残っていますが、統計では日本の住宅の建替え年数は平均27年といわれています。
アメリカは55年、イギリスは75年です。
この短さには、いろいろな理由があると思われます。
一番の理由は、建物をメンテナンスすることがあまりないからだと考えられます。
住宅にもサステナブル(持続性)が求められています。建物の持続性の第一歩が「建物検査」です。少し勉強すれば、どなたでも習得することができます。
建築士に頼らなくても第一歩を踏み出してはいかがでしょうか?
不動産仲介される物件の下見の際に、建物検査のノウハウがあれば、お客様の信頼が増します。
詳しくは:
https://nbc.ieflea.market/course/course/926/
===よくあるお問い合わせ「マンション外壁タイル剥離」===
質問
13年前に建築されたマンションですが、最近外壁タイルに問題があることが見つかりました。
売主に、なんとかしてほしいと申し出たがアフターサービス期間を過ぎているので保証できないと言われた。
回答
外壁タイルの浮きや剥離自体は、瑕疵担保期間を10年と定めた「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」で明確に規定されているわけではなく、ほとんどの場合は売主とのアフターサービス基準で決められています。
期間は2年〜5年が多いため泣き寝入りしているマンションも多いようです。
ところが、民法90条には、故意または過失により他人に損害を加える違法な行為を不法行為といい、加害者は不法行為により生じた損害を賠償する責任があります。
不法行為に基づく損害賠償請求権は次のとおり、不法行為の時から20年を経過したときも同様です。
つまり、外壁タイルのはく離の原因が施工不良である場合は、建築後10年を経過しても、売主および施工者に賠償責任を求めることができます。
詳しくは:
https://gaiheki.sltcc.info/