技能実習制度の廃止と育成就労制度へ移行

技能実習制度は外国人が自国の産業発展に貢献するための実務能力を身につけることを目的として設けられました。
しかし、本来の目的から逸脱し、低賃金、長時間労働、労働災害の多発、犯罪やハラスメント、失踪など数多くの問題がありました。

そこで政府は、技能実習制度を廃止し、育成就労制度への移行を2024年に閣議決定し、現在国会で審議中です。

===育成就労制度===

技能実習制度では、キャリアとスキルを身につけても転職ができませんでした。
新制度は、転職自由を保証し、適切なキャリアパスを提供することに重点を置いています。

また、企業と労働者双方にとって、公平で持続可能な労働環境を促進するための制度を含んでいます。
育成就労制度では、労働者は専門的な研修を受けることにより、その職種における資格や認定を取得する道が整備されています。

===新制度への移行===

新制度は2024年に最終化され同年中に施行される予定です。
外国人労働者の雇用に関する新たなガイドラインとコンプライアンス要件が含まれるため、
企業はこれに基づいて人事戦略を再構築する必要があります。

===育成就労制度と特定技能制度===

育成就労制度と特定技能制度は、支援する点では共通していますが職種や支援の範囲には違いがあります。
育成就労制度は、長期的なキャリア形成とスキル向上を目的としています。

育成就労制度は、転職やキャリアアップを積極的に支援する点で、特定技能制度とは異なります。

===制度の整備の必要性===

二つの制度は、互いに補完的な役割を果たすことができます。
しかし、現在の外貨市場の円安で、労働報酬が他国に比べて2割以上低くなっています。

円安は、一国の意向でどうにかなるものではありませんが、対策は必要です。

そこで必要なのは、賃金だけでなく日本で働き暮らしたくなる環境です。
例えば「治安と公共性」「差別のないコミュニティ」「医療制度」「子どもたちへの教育」・・・。

目指すべきは、日本の文化を活かした「共生社会」ではないでしょうか