このメールマガジンでは、いろいろな話題を取り上げていますが、ここのところ法律や技術の難しい話題が中心でした。
閑話として、ちょっとした「お話」を2題お届けします。
===バレンタインのチョコレート===
バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は、日本だけというのは皆さんご存知のとおりです。
ではいつから?
学生時代に調べたとき「モロゾフ」のチョコレート販売戦略ということでした。
1960年代の後半、モロゾフさんが存命の時です。モロゾフさんは、ロシア革命から逃れて神戸に来られたロシア人で、
チョコレートの製造販売を始められた方です。
このマーケティングがどのように広まったかは、調べていませんが、1970年代に一気に日本中に広まったようです。
私はバレンタインのチョコレートとは縁のない年代ですが、先日マンションの住人で、
詩人の方からチョコレートをいただきました。
「いつもマンションの管理組合で尽力していただいたお礼です」ということでした。少しビックリしました。
===情は人のためならず===
「管理組合で尽力している」と言われましたが、管理組合の役員や、餅つきなどのイベントのお手伝い、
雪が積もったときの雪掻きなどをしています。
なぜかと問われると「楽しいから」としか、答えようがないのです。
「情は人のためならず」という言葉があります。どうやら5割くらいの方が「情けをかけてはいけない」と
反対の意味で誤解しているらしいです。
本当の意味は、「他人のためではなく自分のためだよ」ということです。
この格言は新渡戸稲造が広めたとも言われています。
もっと前からあったという説もあります。
解説では「人のためにすればいつかは自分に返ってくる」と書かれています。
しかし、この解釈にはどうもしっくりきません。
被災地でボランティア活動している方は「いつかは自分のため」と考えておられる人がおられるでしょうか。
きっと違うと言われます。
私は「楽しいから」といいましたが、もっと人が持っている人間性にあるように思います。
===行動経済学の視点===
従来の経済学では「人は合理的な行動をする」が前提です。
その視点でみれば、「人のためにすればいつかは自分に返ってくる」が正しいと考えられます。
しかし近年の行動経済学は、「人間の直感や感情によってどのような判断をし、
その結果、市場や人々の幸福にどのような影響を及ぼすのか」がテーマです。
その視点で「情はひとのためならず」には、直感や感情が中心にあると思われます。