私共には不動産投資のトラブルで多くの方が相談にこられます。
「サブリース会社が家賃減額を言ってきた」「不当に高くかわされてしまった」「賃貸収入が安定していると言われたが空室が多くて赤字だ」・・・・。
話をお聞きしてみて不動産投資セミナーの内容を調べてみると、講師の方ですら建物の知識をほとんど持っておられないということに驚かされます。
===建築の知識がなくても投資は可能との思い込み===
投資セミナーの案内では
①不動産投資の安定した収入は、年金への不安がなくなる。
②サラリーマンは、収入が安定しているのでフルローンで借りやすい。
③少しぐらいの赤字でも、節税対策になる。
④インフレのリスクヘッジになる。
⑤相続対策。
・・・・がどのセミナーでも講師が話される内容です。
気が付かれたと思いますが建物の話はほとんどされません。
話さないのではなく知識がないのではないかと思いました。何人かの宅建士の方に話を聞きますと建築の法律の話はご存知ですが、建物の技術的な側面についてはあまり知識はないようです。
確かに宅建の試験科目には出てきません。
===建物は必ず劣化する===
不動産投資をされた方に、どんな建物をどのような融資で購入されたかを聞きました。
平均年齢40歳で築25年から30年の収益物件を30年ローンで購入されるのが平均のようです。
そして、こんな質問をします。「30年後あなたは70歳で今の会社は、おそらく退職されていますね。たぶん年金生活です。その時この建物はどうなっているか想像できますか?」「その建物に入居したいという人はどんな人ですか?」
このメールマガジンを読まれた方は、ご近所の物件やご自身の住まいの30年後を想像してみてください。
昭和39年東京オリンピックの時に、都内に多くの公営団地が建築されました。今はほとんど見る影もない状態です。
建物は、築30年を超えると何もしなければ急速に劣化してきます。マンションですら50年を超えると限界マンションと言われます。
===どんな知識が必要か===
日本の住宅の平均寿命は27年から37年と言われています。アメリカは50年、イギリスは70年です。
ヨーロッパやアメリカには、50年経っても住みやすい住宅が多くあります。
その差は、メンテナンスにお金と労力をかけている違いです。
今更、サラリーマン投資家が建築の知識を得るのは大変です。またそんな必要もありません。必要なのは、建物を維持管理(メンテナンス)をするには何が必要かという知識です。
建物の問題点を把握してメンテナンスします。お金か労力かどちらかをかけることです。
アメリカの男性は、労力を惜しみません休日にはホームセンターで資材を買ったり道具を借りて作業します。そして建物を維持し続けるのです。
===何から取り掛かるか===
不正融資で買われた築30年の賃貸マンションを調査したら、コンクリートが剥がれて鉄筋が見えていました。
買われた方にお聞きしたら、建物を見たこともない、利回りだけを聞いて投資したとのこと。
まず、専門家に見てもらいましょう。そして何をしなけれならないかを相談しましょう。
まずはそこからです。