===トラブル解決「なぜ耐震化が進まないのか?」===
内閣府のホームページに「なぜ耐震化が進まないのか?」という、東京大学の目黒教授のレポートが、掲載されていました。
ポイントは「災害イマジネーションが低い」「低価格で施工業者に利益の出る補強技術」「簡便で高精度な耐震診断法」「耐震補強に対する強いインセンティブ」ということです。
「災害イマジネーション」は、自分のまわりで起こる状況を具体的に想像する能力。
防災は、「災害イマジネーション」に基づいた「現状に対する理解力」と「各時点において適切なアクションをとるための判断と対応力」があってはじめて実現する。
「補強技術」は安いことも重要だが、施工者に相応の利益が必要。
「簡便かつ高精度な診断法」が整備されれば、耐震補強に対する信頼性は向上し、悪徳業者が入り込む余地はなくなります。
「耐震補強に対する強いインセンティブを与える」制度で、「技術」の価格や信頼度に関わる不確定性をカバーする機能を持つことが求められる。
===豆知識「サブリースはどのようにして生まれたか」===
諸説ありますが、現在のサブリースは1980年代の半ばではないかといわれています。
それ以前の住宅メーカーは、アパート建設は行っても、管理・運営は、大家さんがしなくてはならなかったのです。そこで地域の不動産屋さんに入居者募集を依頼して、管理も大家さんが行っていました。
住宅メーカーは大家さんに多くのアパートを建ててもらいたいのですが、大家さん側は、管理ができないため、受注が頭打ちになっていました。
そこで、住宅メーカーは建てたアパートを一括借上げして系列会社に管理運営させるビジネスモデルを作り上げたのがスタートです。
当初は、住宅メーカーは建設で利益を上げれば、管理運営で利益が少なくても良かったのです。ところが、建設では利益が得られなくなり、サブリース会社は運営で利益をあげなくてはならなくなったのが現在です。
ここに、現在発生しているトラブルの要因があると考えられます。
===豆知識「サンズイ地名の土地は、弱い」===
昔から、「サンズイ地名の土地は地盤が弱い」との話が、まことしやかに伝えられますが、本当でしょうか?
確かに、かつて沼だったり、河川敷は地盤に問題はなくはありません。
地名の由来は、いろいろで、地名と地盤に大きな相関はありません。それより大切なのは、その土地の過去の状態です。
地域の図書館には、その地域の歴史、地図などの資料がたくさんあります。そこで土地の由来を読んでみると参考になります。
もっと簡単な方法は、「国土地理院の旧版地図の閲覧サービス」を、インターネットで見ることができます。
ここには、明治時代からの地図があり、その土地がどのように開発されたかがわかります。
25年前の阪神大震災で大きな被害があった土地は、明治時代は海だったり、川だったりしたことがわかります。