NPO法人日本住宅性能検査協会には、多くの建物トラブル相談が寄せられています。
7月2日のNHKのクローズアップ現代で「大工不足で家が建たない!?修理できない!?相次ぐ住宅トラブル」
という番組が報道されていました。
===大工不足が招く建築不良?===
NHKの報道によると、木造住宅の建築や修理などを担う大工は、この20年で半分以下に減少。
人手不足や技術不足によるトラブルは相次ぎ、調査会社の統計では、診断した住宅の7割以上で不具合が見つかっているという。
大工不足を引き起こす原因には、時代遅れの労働環境や住宅産業構造の変化などがあると指摘します。
それだけでしょうか、日本の木造建築を見てみると、何十年も進歩がなくシステム化もせずに大工さんの腕に頼っています。
そのため、坪単価の全国平均は68.4万円と高くなり、それどころか建築不良が増えているには
別に工法の進歩がないところに問題があるように思えます。
===2✕4工法の歴史に学ぶ===
2✕4工法の歴史には諸説あります。19世紀のアメリカ西部開拓史で大工さんでない全くの素人による住宅建設がきっかけという説と、
第2次大戦の帰還兵の住まいの確保にシステム化した住宅が必要だった説があります。
私はあとのほうが広く普及したきっかけのような気がします。
2✕4工法は、2✕4、2✕6など数種の木材と、4✕8の構造用合板の基本材料で一軒が建ちます。
ノミもカンナも使いません。主たる道具は電気ノコギリと釘打ち機です。
大きくなければ素人でも2ヶ月で一軒建ちます。岡山の消防士さんが、休みの日を使って立てた床面積50坪の家をみましたが、
とても素人が建てたとは思えませんでした。25年前で坪単価30万円程度でした。
工法がシステム化しているため、マニュアル通りにすれば失敗のしようがないのです。
===新しいDIY工法の開発で、空き家活用===
全くの素人が、ゼロから建てるのはリスクが高いかもしれません。しかし古い空き家のDIYリフォームから始めれば、
廉価で快適な家ができる可能性があります。
耐震性や防火性能など建築基準をクリアしなければならないので、建築士のアシストは必要ですが。
材料も規格化したものを使い、設計もDX化し、工事もマニュアル化することで誰もがDIYで家をもつことができます。
そのうえで建築のDIY化も難しくなくなるでしょう。