改正 空家等対策特別措置法の詳細−1「管理不全空家」


昨年改正された空家等対策特別措置法では、新たに「管理不全空家」という制度が加わりました。
これまでは空家として「特定空家」指定されると、所有者は順次「助言」「指導」「改善の勧告」
「改善命令」が行政から通達されました。

それでも改善がされない場合は、自治体が行政代執行を行い、空き家は解体され、
その費用は所有者に請求される方法しかありませんでした。

===管理不全空家とは===

特定空家は、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」をいいます。
管理不全空家は、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態のことです。

①保安上危険な状態
②衛生上有害になる状態
③景観悪化につながる状態
④周辺の生活環境の保全への影響がある状態の4項目について、より具体的に状態を示しています。

例としては
構造部材の破損、腐朽、腐食等 雨水侵入の痕跡がある。
窓が破損している。外装材、屋根、雨樋、破損、腐食等。清掃等がなされておらず、
水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる。
動物が棲みつき、駆除等がなされておらず、常態的な動物等の棲みつき等が 敷地等に認められる状態とされています。

===管理不全と指定されると===

管理不全空家と認められると、市町村長は所有者に改善するようにと「助言」と「指導」を行います。
所有者はそれに従って改善することで指定を解除できます。「助言」「指導」にもかかわらず改善されない場合は、
「改善勧告」が出されます。
「勧告」が出されると、住宅用地特例優遇税制の適用が無くなる結果、固定資産税の負担が大幅に増加することになります。
200㎡以下の場合は、固定資産税が6倍になってしまいます。

===それでも管理を放置すると===

もともとの税額が少ないと、固定資産税が6倍になっても管理に要する費用が高いと考えて放置する所有者もいるかと思われます。
ボロボロになった空家を改善して管理するには相当な費用がかかります。

また解体して更地にするだけでも場合によっては、かなりの金額がかかります。
そう考えて放置しますと今度は「特定空家」に指定されて改善命令がだされます。

それでも改善されない場合は、行政代執行が行われて、費用は所有者が負担することになります。
空き家は放置することで、損することになります。空き家の所有者の方には是非伝えてあげてください。