===築古でなくても、賃貸の空き家は多い===
国土交通省の平成30年の土地統計調査の結果、空き家数は848万9千戸と過去最多となり全国の住宅の13.6%を占めています。
その中でも賃貸用等空き家が約半分の455万5千戸あり、これらの多くが共同住宅つまりアパートなどです。
築年数でみると1991年から2000年に建てられた築30年が565千戸と最も多くなっています。
その次が築40年の522千戸です。
ところが2001年から2010年の築20年程度の共同住宅も505千戸が空き家になっています。
築古だけでなく空き家は増える一方のようで予測では10年後には、空き家率は30%になると言われています。
===選ばれる部屋にリフォーム===
空き家が30%になると管理費ばかりかかって賃貸経営は赤字になってしまうでしょう。
サブリース契約をしていても解約される可能性があります。
同じアパートでも選ばれる、選ばれないという選別が始まります。
選ばれない部屋は、どんなに家賃を下げても入居者は集まりにくくなるでしょう。
従来は立地さえよければ入居者は集まるという考えがありましたが、これからリモートワークがますます増えれば立地のメリットはあまり重視されなくなります。
選ばれる部屋は、「断熱性に優れている」「遮音性が高い」「一人暮らしでも安心できる部屋」「インターネット環境が整備されている」などです。
===賃貸住宅でも使える長期優良住宅化リフォーム推進事業===
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、賃貸住宅のリフォームで使える補助金です。
劣化対策や耐震性、省エネ対策など特定の性能項目(構造躯体等の劣化対策、耐震性省エネルギー対策、維持管理・更新の容易性 高齢者等対策、可変性)を一定の基準まで向上させる工事が対象です。
リフォームに先立って行うインスペクション等の費用も補助対象になります。
補助率はリフォーム費用等の3分の1となっており、集合住宅の場合は補助限度額は以下のとおりです。
なお、補助金申請はリフォーム事業者を通じて行います。
他にも、「高性能建材による住宅の断熱リフォーム」「次世代省エネ建材支援事業」など、賃貸住宅で使える補助金があります。
これらの補助金を使えば、古くて選ばれないアパートを改築することも難しくありません。
融資についても、住宅金融支援機構では、長期優良住宅への優遇融資制度があります。
===住宅セーフティネット制度===
住宅セーフティネット制度とは民間の空き家・空き室を活用し、住宅確保に配慮が必要な方(高齢者、障害者、子育て世帯等。以下、住宅確保要配慮者)に対し、安全かつ良質な住まいを保障する社会的制度のひとつです。
この制度を利用する方法もあります。この制度については、次回詳しく紹介いたします。